日本における麻の歴史
1. 縄文時代から続く麻の歴史

日本における麻の歴史は
縄文時代(約1万年前)まで遡ります。
縄文遺跡からは麻の繊維を使用した布や縄が
発見されており、古代の人々が
麻を衣服や漁網、狩猟道具として
活用していたことがわかっています。
また、縄文時代の土器には、
麻の繊維を押し当てた模様が
見られることがあり、装飾としても
活用されていたとか。
まさに日本は、麻と共に
歴史を歩んできたと言えるでしょう。
❇︎ 弥生時代になると大陸から稲作とともに織物技術が伝わり、麻布の品質が向上していきました。これにより大衆への普及も拡がっていったようです。
2. 古代日本の神聖な植物としての麻

麻は単なる実用素材にとどまらず、
神聖な植物としても扱われてきました。
『 古事記 』や『 日本書紀 』などの
古代文献にも麻は登場し、特に神道では、
穢れを祓う力があると信じられてきました。
神職用の白装束は麻布で作られ、
神社で使用されるしめ縄や御幣も、
麻で作られることがほとんどでした。
この事から、麻は浄化や結界の象徴とされ、
神聖な儀式に欠かせない素材となりました。
❇︎ 伊勢神宮では、古くより神前に「麻と絹」が奉納されていました。
古来より品質のいい布は、神への最高の供物の一つとされていたようです。
3. 江戸時代の麻文化と広がる用途

江戸時代になると、麻は庶民の暮らしに
欠かせない存在となります。
麻布は軽く、頑丈で通気性も良いため、
特に夏の衣服(浴衣や襦袢)の素材として
重宝され、武士の裃(かみしも)や手拭い、
農民の作業着などにも広く使用されるように
なりました。
一方で、麻は食料としても利用され、
麻の実は七味唐辛子の材料の一つとして
今も使われています。
近年ではヘンプシードオイルなども、
スーパーフードとして大きな注目を集めています。
❇︎ 江戸時代の貨幣「寛永通宝」の鋳型には、麻の繊維が混ぜられていたそうです。
鋳型の強度が上がることで、均等な貨幣が作られるようになったそうです。その時代の工夫が伺えますね。
4. 戦後の規制と現代の精麻文化

戦後、日本はGHQの政策により
大麻の栽培が規制され、
急速に生産数が減少しました。
しかし、神社のしめ縄や神事の為の
「精麻(せいま)」は、伝統を守るために
栽培が許可され、現在も一部の農家が
受け継いでいます。
近年では、精麻の神秘的な力が
再認識され、御守りやアクセサリー
としての活用が広がっています。
また、自然由来の環境に優しい素材として、
衣類や食品(CBDなど)は医療などの分野でも
注目され始めています。
❇︎ 相撲の横綱の綱も、実は精麻で作られています。
相撲は単なる競技ではなく、神事でもあり、そして横綱が特別な存在であることがよくわかります。
5.現代日本における麻

日本における麻の歴史は、
実用性と信仰の両面で、
人の営みに深く根付いていることが
前述した歴史からも読み取れます。
古代から現代まで続く「祓い」の文化や、
精麻の新たな可能性を知ることで、
今後さらに麻の魅力に魅せられていく方も
増えていく事でしょう。
エネルギーの高まる夏至や冬至の際にも、
是非お共にお飾りいただければと思います。